1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「病院では接触感染に要注意」医師が感染広げる可能性も ◆和歌山県・野尻技監インタビューVol.2

「病院では接触感染に要注意」医師が感染広げる可能性も ◆和歌山県・野尻技監インタビューVol.2

インタビュー 2020年4月12日 (日)  小川洋輔(m3.com編集部)

国内で初めて医師の感染が明らかとなった済生会有田病院(和歌山県湯浅町) ――今、各地で院内感染が相次いでいます。済生会有田病院での事例を通じて、伝えたいことはありますか。 注意すべきは接触感染だなと思いました。非常に興味深かったのは、2月13日に別の病院へ転院搬送された肺炎患者がいた3階の4人部屋です。この患者は酸素投与をされるほど症状が重く、嘔吐をしていました。隣の入院患者に伝播させてしまっています。でも残りの2人の入院患者は感染していないのです。その隣部屋にも感染者が1人入院していて、その患者は咳もあり発熱もあったが、ほかの入院患者には感染させていません。 当然、転院前は新型コロナウイルス感染症の患者がいるとは思ってもいませんから、ほかの患者との間はカーテンで仕切られているだけです。窓もありますが、冬だからそんなに長時間は開けていないでしょう。同部屋の入院患者が全員感染していてもおかしくありません。一方で、外科医や別部屋の入院患者の感染が確認されています。もちろん近接すれば、飛沫感染も起こるのでしょうが、医療機関で特に気をつけるべきは接触感染だと感じました。 病院には手すりやトイレ...