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「日本の集中治療はパンデミックに大変脆弱」集中治療医学会長

レポート 2020年4月2日 (木)  高橋直純(m3.com編集部)

日本集中治療医学会(理事長:西田修・藤田医科大学)は4月1日、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する理事長声明」を公表し、「本邦の集中治療の体制は、パンデミックには大変脆弱と言わざるを得ない」と訴えた。 3月31日の時点で死亡率では、イタリアでは11.7%(感染者10万5792人、死者約1万2428人)に対し、ドイツでは1.1%(感染者約7万1808人、死者775人)となっていると指摘し、「この違いの主なものは、集中治療の体制の違いであると考える」と説明。その上で、ICUのベッド数は、ドイツでは人口10万人当たり29~30床であるのに対し、イタリアは12床程度に留まっているが、さらに日本では5床程度にすぎないとし、日本は「イタリアの半分以下であり、死亡数から見たオーバーシュートは非常に早く訪れることが予想される」と警鐘を鳴らしている。 さらに、日本のICUは2対1看護だが、重症化した新型コロナウイルス感染症患者の治療には感染防御の観点からも1人の患者に対して2人の看護師が必要であると指摘されている。8床のICUでは、新型コロナウイルス感染症の患者2人を収容した時点でマン...