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日本、新型コロナウイルスの危機目前~現場への危機感共有を

インタビュー 2020年4月6日 (月)  佐々江龍一郎(NTT東日本関東病院総合診療科医長兼国際室室長代理)

1カ月で変わり果てた英国 長年私が暮していた英国の街は、すっかり様変わりしてしまった。普段は人であふれているロンドンのパブ、レストランは閉鎖し、ロックダウンの影響で街から人影が消えた。絶えず人が行き来していたロンドン繁華街の中心、オックスフォードサーカスでさえ人通りはほとんどない。英国では4月5日の時点で4万1903人の新型コロナウイルス感染症陽性者、4313人の死亡者が確認され、ボリス・ジョンソン首相も「G7の国で初めて新型コロナウイルス感染症(COVID-19) にかかった首脳」と大きく報道された。果たしてこれまで英国では「国民の危機感の共有」が十分できていたのだろうか。 検査システム構築は危機感のバロメータ、英国は? 英国のPublic Health England(PHE:英国公衆衛生庁、日本では国立感染研究所が近い)の 名誉理事、コスフォード教授は、COVID-19検査システム構築 にかかわる大多数は「今、現在必要なPCR検査が行える状況にはない」と不満を抱えているとコメントしている。英国では3月23日に正式なロックダウンが発表されたが、それでも材料不足(スワブ、試薬)などの...