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「国民の行動を変えたかった」日医の宣言要請の背景 - 釜萢敏・日医常任理事に聞く

インタビュー 2020年4月7日 (火)  岩崎雅子(m3.com編集部)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、4月7日にも緊急事態宣言を発出す意向を表明した安倍晋三首相。 その背景には、病床不足等に対する医療現場の強い危機感がある。日本医師会常任理事で政府の諮問委員会、専門家会議の構成員を務める釜萢敏氏は、事態が動く1週間前の3月30日に「感染爆発が起きてからでは手遅れ。緊急事態宣言をもう出した方が良いという意見が大半だ」と記者会見で強調した(『「緊急事態宣言、もう宣言すべきという意見が大半」』を参照)。日医が国民に求めることとは何か。発言の意図を釜萢氏に聞いた(2020年4月6日にインタビュー)。 日本医師会常任理事の釜萢敏氏 ──現在、医療機関はどのような状況にあるのでしょうか。 人が足りません。COIVD-19を担当している方は限られた交代要員でずっと勤務していますし、時間外労働が想定時間を超えてしまうような状況がたくさんあります。 特にCOVID-19の場合、通常の集中治療なら患者2人に対して看護師1人であるのに対し、患者1人に対して看護師が2人、スタッフが10人必要になるなど、人手が必要な病気です。代替要員は見つからず、一...