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医療制度改正「慎重さとスピード感のバランスで」

レポート 2020年4月8日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

中医協委員を6年、会長を約5年務めた国立社会保障・人口問題研究所所長の田辺国昭氏は4月7日付で退任、翌8日の中医協総会で、「慎重さとスピード感のバランスを取ることが今後の制度改正にますます必要とされているように思う」とあいさつし、今後直面する曲がり角を乗り切るようエールを送った。 田辺前会長は、関係者への謝辞を述べた上で、6年間に感じた3つの感想をあいさつの中で紹介した。第一に挙げたのは、2018年度診療報酬改定で新設された「妊婦加算」であり、医療提供側だけではなく、医療需要者側も考慮に入れた検討の必要性を指摘。第二は、高額医薬品をめぐる課題で、イノベーションと医療財政の膨張の危険との間の緊張に対応する知恵が必要になってくるとした。そして第三に挙げたのが、今後の制度改正のあり方で、スピードスケートでカーブを曲がる際のスピードを引き合いに、慎重さとスピード感のバランスを取る大切さに言及した。 2020年4月8日の中医協総会は、Web会議システムも活用。 【田辺国昭・国立社会保障・人口問題研究所の退任あいさつ概要】 第一は、妊婦加算の中止をめぐって感じた教訓。従来、診療報酬の改定においては...