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山梨大学における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との闘い(第3報)

オピニオン 2020年4月15日 (水)  島田眞路(山梨大学学長)、荒神裕之(山梨大病院医療の質・安全管理部特任教授)

本稿のポイント 1.PCR検査の不十分な体制は日本の恥 2.途上国レベルの日本のPCR実施件数 1.PCR検査の不十分な体制は日本の恥 これまで2回にわたって、山梨大病院における日本初のSARS-CoV-2による髄膜炎/脳炎患者の発見 1-2)や、8カ月の乳児のSARS-CoV-2感染の診断 3)について報告してきた。どちらの症例にも共通していたことは、山梨大病院が自院で実施した迅速なPCR検査である。乳児の症例では、PCR検査陽性の判明により、医師18人、看護師20人など合計47人もの医療者を14日間にわたり自宅待機させることとなったが、結果として院内感染拡大を未然に防止することにつながったと確信している。慶応義塾大学病院 4)や東京慈恵会医科大学病院 5)など都内の大学病院でも相次いで院内感染の発生により診療停止等の甚大な影響が生じており、今後、一層の感染拡大局面で医療機関内部からの医療崩壊が懸念される事態となっている。 我々は、本シリーズの第1回から、「PCR検査の不十分な体制は日本の恥」と主張し、早急な立て直しが必要であることを訴えてきた。米国大使館・領事館も4月3日発出のアラ...