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【ドイツ便り】ドイツの臨戦態勢から学ぶ院内感染の防御策

オピニオン 2020年4月19日 (日)  岡本真希(おかもと・まき)

編集部から:ドイツの循環器病センター「Herzzentrum Brandenburg」で循環器内科医として働く岡本真希先生に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するドイツの取り組みをレポートしていただきました。イタリアやスペイン、フランスではCOVID-19による死亡者数が1万人を優に超える一方、なぜドイツでは3000人弱に抑え込めているのか。医療崩壊を防げている理由、それはひとえに「準備」の差だと言います。 今後、COVID-19患者が日本で増加するにあたり特に大事なこと、それは医療機関でクラスターを発生させずに、医療崩壊を防ぐことです。しかし日本は現状、帰国者・接触者外来や救急外来に多大な負荷がかかっている一方で、それ以外の医療機関の受け入れ準備および危機意識の持ちようは、足並みが揃っていないように感じます。COVID-19の顔をして受診してくる患者に対しては誰でも警戒できますが、問題は、無症状だったり非典型経過だったりと、COVID-19らしくない顔を装って病院内を闊歩する患者です。彼らを発端として医療機関でクラスターが発生してしまうことに対するリスクマネジメントは...