1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 山梨大学における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との闘い(第4報)

山梨大学における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との闘い(第4報)

オピニオン 2020年4月18日 (土)  島田眞路(山梨大学学長)、荒神裕之(山梨大病院医療の質・安全管理部特任教授)

本稿のポイント 1.見過ごされた患者―途上国レベルのPCR検査体制がもたらしたもの 2.ロシアンルーレット状態に陥った日本 1.見過ごされた患者―途上国レベルのPCR検査体制がもたらしたもの 前回は、途上国レベルの日本のPCR実施件数が、日本に対する国際的な信用を揺るがしていることを示した 1)。今回は、この日本のPCR検査の不十分な体制が、東京、大阪をはじめ大都市圏で進む患者数の増加とどのように関連していると考えられるか、データの分析を交えてお伝えする。 表1は、JOHNS HOPKINS大学が日々更新しているCOVID-19に関する4月11日時点のデータに基づき 2)、著者らが作成した。前回も触れた通り、日本のPCR検査陽性患者数は、4月11日時点で、集計対象の120の国と地域の中で30位であり、死亡割合(PCR陽性患者数に占める死亡者の数)も、1.60%で台湾などと並んで90位と健闘しているように見える。 しかしながら、「新型コロナウイルスを検出できる唯一の検査法 3)」であるPCR検査件数が途上国レベルの水準である以上、PCR陽性患者や死亡者の数が、実相を反映しているかは甚だ疑...