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永寿総合病院の院内感染、想定される7つの要因

レポート 2020年4月21日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

永寿総合病院(東京都台東区)で約180人規模という新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の院内感染が発生した理由として、7つの要因が考えられることが、厚生労働省のクラスター対策班による調査で明らかになった。同病院は4月17日、対策班による「調査チーム支援報告書」をホームページ上で公開した。 「全体に共通する要因」としては、▽密に過ごす空間(病棟休憩室、仮眠室、職員食堂、職員ロッカーなど)での医療従事者間の感染拡大の可能性、▽原疾患やその治療に伴う症状もあり、本疾患を疑うタイミングが遅れた可能性――の2つが挙がった。 病棟内については、▽基本的な予防策が不十分になる場面があった、認知症など動き回る患者の存在、▽化学療法中など易感染性患者の存在――が、病棟間については、▽隣接病棟と一体化した構造上の問題、▽患者の転棟による拡大、▽病棟間を移動する医療従事者が媒介した可能性――が指摘された。これら推定される要因のうち、どの影響が大きいかについて引き続き検討中だ。 「調査チーム支援報告書」による クラスター対策班は6人体制で、3月30日から調査支援を開始した。報告書は4月15日付。クラス...