山梨大学における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との闘い(第5報)
オピニオン
2020年4月22日 (水)
島田眞路(山梨大学学長)、荒神裕之(山梨大病院医療の質・安全管理部特任教授)
本稿のポイント 1.PCR検査独占の実態 2.日曜日に下がるPCR検査件数 3.大学に期待される蜂起―直ちに地方衛生研究所・保健所を救え! 4.謝辞 1.PCR検査独占の実態 前々回からのPCRシリーズを通じて、途上国レベルの日本のPCR実施件数が日本の国際的な信用を揺るがす事態にまでに至っており 1)、4月11日時点で、少なくとも約5000人、多ければ約4万3000人以上のPCR陽性患者が見過ごされたと推測される現状について、内外のデータを用いて白日の下にさらしてきた 2)。PCRシリーズの最終回となる今回は、このような惨憺たる状況に陥った要因をデータに基づき解明し、国難を乗り越えるための方策を示したい。 図1は、厚生労働省のホームページで公表されている国内における新型コロナウイルスに係るPCR検査の実施状況(4月9日時点)に基づき 3)、著者らが作成した日本におけるPCR検査数の推移である。3月24日頃まで国内のほぼ全てのPCR検査が、地方衛生研究所・保健所で占められていることが一目瞭然である。一方、3月25日以降の国内総数は、PCR検査件数の折れ線が上振れし、地方衛生研究所・保健...
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