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「3つの密」、誕生の背景とは? - 押谷・東北大教授(厚労省クラスター対策班)

レポート 2020年4月23日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

LIVE配信で実施した4月18日の第94回日本感染症学会学術講演会特別シンポジウムで、政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議、厚生労働省のクラスター対策班の構成員である東北大学教授の押谷仁氏は、「クラスター解析からCOVID-19の疫学と対応策」をテーマに講演した。 押谷氏は2月25日にクラスター対策班が設置された際、「あの時点で我々に残されたオプションは、今ある検査体制で、流行を制御できる対策をいかに確立するかだった」と経緯を振り返りつつ、感染拡大防止策として「3つの密」を避けるという対策を打ち出した背景を解説した。 (提供:押谷氏) 現状の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の状況として、「重篤な感染者が増え、集中治療のキャパシティーを超えて発生してしまうと、これまで救えた人の命が救えなくなる。これが東京を中心に、現実のものとなりつつある」と警鐘を鳴らし、対策の重要性を訴えた。 さらに「第2波」として、大都市から地方都市、さらにはその周辺地域へと感染が広がりつつある現状を踏まえ、「高齢者が多く入院している医療機関、高齢者施設等で、院内感染、施設内感染が起きて...