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医療計画、新興感染症への備えが欠落していた - 中川俊男・日医副会長に聞く

インタビュー 2020年5月2日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が続き、病床の逼迫が続く中、改めて医療提供体制の在り方が問われている。折しも地域医療構想が具体化しつつある折、今回の教訓をどう捉え、次なる新興感染症にどのように備えていけばいいのか――。 厚生労働省の「地域医療構想に関するワーキンググループ」の構成員として議論を主導してきた、日本医師会副会長の中川俊男氏にお聞きした(2020年5月1日にインタビュー)。 ――現状の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する医療提供体制の現状を、どう捉えておられますか。感染症指定医療機関以外でも、病床の運営体制を変更した対応が迫られています。 新興感染症に対する備えが全くなかった。SARS(重症急性呼吸器症候群)、新型インフルエンザなどの流行がこれまであったが、具体的な準備をしていなかったのではないでしょうか。 取材は対面ながら、約2メートルの距離を置いて実施 ――2009年の流行後、2013年には新型インフルエンザ等対策政府行動計画を策定しました。 法整備はしていたものの、その具体化まではしていなかった。また私自身の反省を込めて、地域医療構...