【フランス便り】ロック・ダウン解除計画発表
オピニオン
2020年5月3日 (日)
奥田七峰子(日本医師会総合政策研究機構フランス駐在研究員)
首相官邸のある右岸のマティニヨンから左岸の国民議会に行くまでには、ルイ16世が断頭台の露と消えたコンコルド広場を通り抜けます。エドワール・フィリップ首相は4月28日、どのような気持ちでこの広場を横切ったのでしょう。 5月11日のロック・ダウン解除に向けての条件法案を、議会で演説する首相。今回のCOVID19対策における失敗責任の全てを野党議員から一身に受け止めている彼の姿に、かつての国王公開処刑を重ねて見たのは私だけでしょうか。 現在、議席は与党が強いおかげもあり、過半数の票を得て、4月30日に通過したロック・ダウン解除法案に示された条件は、以下の通りです。 • 全国一斉ではなく、県ごとの段階的解除(4月30日から県別の疫学統計発表)。 • 100㎞以上の移動の禁止。 • 保育園・幼稚園・小学校の希望者への再開。 • 中学校は翌週5月18日から。高校は5月末の状況次第で再開の可否を決める。 • 公共交通機関(スクール・バスを含む)でのマスク着用義務、7割運行、座席半減。 • PCR/抗体テストの実施徹底(70万検査/週)・テストの費用全額保険カバー。 • 陽性者隔離 (トラッキング・ア...
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