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『最高のがん治療』という本を書いた理由-大須賀覚・米アラバマ大学バーミンガム校脳神経外科助教授◆Vol.3

スペシャル企画 2020年5月24日 (日)  聞き手・まとめ:高橋直純(m3.com編集部)

中山:大須賀先生はSNSや書籍などでの医療情報の発信にも積極的に取り組まれていますが、日米で違いは感じますでしょうか。 大須賀:私はがんの情報を日本語と英語の両方をチェックしていますが、SNSで流れている情報の質は全世界的に変わらない傾向だと思いますよ。怪しい健康情報が広がるのは、日本に限った話ではなくて全世界で見られることです。 すごく違う点は、アメリカのほうが政府からの情報発信がかなり充実しており、正しい情報を得るチャンスは、日本よりはるかにあると思います。アメリカだとNIHやCDCのような公的機関にたくさんのサイエンスコミュニケーターが雇われていて、YouTube、Instagram、Facebook、Twitterを駆使し、ビジュアルも使ってすごく分かりやすい発信をしています。日本だと国立がん研究センターなどが情報発信をしていますが、本当に少数の人たちで行っています。日本でそれをやってくれている人の方がむしろ頑張っていると思いますが、人数の影響が大きいです。 中山:それは強く同意します。私みたいな臨床医が手術の片手間に情報発信をしている、これでは駄目ですよね。非医療者の、一般国...