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アビガン、「治験なし」でも新型コロナ治療薬の承認可能に

レポート 2020年5月12日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

厚生労働省は5月12日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する医薬品、医療機器、体外診断用医薬品、再生医療等製品(医薬品等)について、企業治験を実施しなくても、国際的な科学的、倫理的水準を満たした公的な研究事業で有効性や安全性が確認された場合には、そのデータを用いて薬機法上の承認申請が可能になるとの課長通知を発出した。 その候補として想定されるのが、アビガン(一般名ファビピラビル)。安倍晋三首相は、5月4日の会見で、企業治験と並行して特定臨床研究や観察研究も進んでいることを踏まえ、「一般の企業治験とは違う形での承認の道もあるのではないか」との考えを示し、5月中の承認を目指すとした(『安倍首相「緊急事態宣言」5月31日まで延長、14日を目途に中間評価』を参照)。今回の通知は、これを可能とする枠組みだ。 厚労省によると、アビガンについては、製造販売元の富士フイルム富山化学株式会社との事前の相談中。承認されれば、レムデシビルに続いて、COVID-19の適応を持つ医薬品としては2剤目となる(『新型コロナの治療薬、レムデシビルを申請から3日で特例承認』を参照)。 厚労省によると、今...