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ゾルゲンスマの薬価、1億6700万円で了承も疑義多々

レポート 2020年5月13日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

中医協総会(会長:小塩隆士・一橋大学経済研究所教授)は5月13日、ノバルティスファーマ社の脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ点滴静注」(一般名オナセムノゲン アベパルボベク)の薬価を1患者当たり1億6707万7222円とすることを承認した。薬価収載日は5月20日。市場規模予測は2年度がピークで25人、予想販売金額42億円。ピーク時の予測販売金額は約40億円(資料は、厚生労働省のホームページ)。 薬価は承認されたが、「先駆け審査指定制度加算」で10%の加算が付いたことに加え、費用対効果評価の対象とすることで価格が上がる場合があり得ることへの疑義、懸念が、診療側と支払側の双方から相次いだ。 「先駆け審査指定制度加算」に疑義が呈せられたのは、先駆け審査指定制度の対象になりながら、ノバルティスファーマ社が事実上、活用しなかったからだ。日本医師会副会長の今村聡氏は、「(先駆け審査指定制度)の指定を受ければ、何の手続きもしなくても10%の加算が付くのが極めて問題」と手続きや制度の不備を指摘した。 健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏も、「先駆け審査指定が取り消されなかったこと...