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「COVID-19の後には、回復不能な医療崩壊が続いている!」

レポート 2020年5月17日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

大泉生協病院(東京都練馬区)院長の齋藤文洋氏は、全国医師ユニオンが5月16日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をテーマに都内で開催した緊急シンポジウムで、COVID-19感染が続く中での病院経営の厳しさを赤裸々に語り、「COVID-19の後には、回復不能な医療崩壊が続いている!」と危機感を募らせた。 大泉生協病院は94床(一般病棟47床、地域包括ケア病棟47床)で、3月から「発熱外来」を設け、COVID-19疑い患者の診察に当たってきた。外来、入院、在宅、検診・健診のいずれの部門でも収益は減少、病院全体の収益は予算比で3月は1249万5000円、4月は1818万5000円それぞれ下回った。1カ月当たりの収益は1億4000万円前後のため、10%前後の減収に当たる。 齋藤氏は、「外出自粛で外来患者は減少している上、発熱外来はコストがかかるが単価は高くはない。入院は、普段は誤嚥性肺炎など発熱患者が多いが、発熱患者を診るには一手間必要であり、結果的に患者数は減少。検診・健診は3月から停止している。結果的に極めて不効率な経営を強いられている」と苦しさを吐露した。 COVID-19患者...