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「科学的根拠不十分な薬、承認すべきでない」、日医有識者会議が緊急提言

レポート 2020年5月19日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

日本医師会 COVID-19有識者会議(座長:永井良三・自治医科大学学長)は5月18日、「新型コロナウイルス感染パンデミック時における治療薬開発についての緊急提言」を公表、「有事といえども科学的根拠の不十分な候補薬を、治療薬として承認すべきでないことは明らかである」と提言した。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬は、「適切に設計され、かつ適切なコントロール群を含むランダム化比較試験(RCTs)」の実施が必須であるとし、「観察研究だけでは有意義な結果を得ることは難しい」と指摘。「科学を軽視した判断は最終的に国民の健康にとって害悪となり、汚点として医学史に刻まれることになる」との強い口調も見られ、拙速な特例承認をけん制している。提言は17日付(資料は、有識者会議のホームページ)。 有識者会議構成員の一人、国立国際医療研究センター理事長の國土典宏氏は、m3.com編集部の取材に対し、緊急提言を出した理由について、「エビデンスが十分ではないままに、承認してしまうと、取り返しがつかなくなる。またいったんCOVID-19の治療薬として承認されてしまうと、これから有望な治療薬が出て...