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「Try it!」夫に背中を押され新聞記者から転身、43歳で医学部入学-李英伊・日野病院医師に聞く◆Vol.2

インタビュー 2020年6月3日 (水)  南文枝(m3.com契約ライター)

岡山県境の山あいにある人口約3000人の鳥取県日野町。町の医療を担う日野病院の内科医師、李英伊(イ・ヨンイ)氏は、韓国・ソウル出身。韓国の大手紙、東亜日報の記者から医師へと転身し、さらに日本の医師免許も取得した。東京特派員を務めるなど、新聞社でキャリアを積んでいた李氏が、医師を志したのは40歳の時だった。そこには、同僚だった夫の強い後押しがあった(2020年3月25日にインタビュー。全4回連載)。 ――そもそも、なぜ新聞記者を志したのですか。 私はソウルで生まれ育ったのですが、韓国の歴史が大きく変わる中で、学生時代を過ごしました。1979年、朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が、側近の韓国中央情報部(KCIA)部長に暗殺されました。私は当時、高校1年生。あまり社会問題に関心がなかったのですが、大きなショックを受けました。生まれてからずっと朴氏が大統領だったので、「大統領は王様のように代わらないものだ」と思っていたんですね。 朴大統領が亡くなり、民主化運動が盛んになりましたが、クーデターによって軍政が敷かれ、運動への弾圧が激しくなります。私は高校卒業後、ソウルの延世大学校英文科に進学しました...