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山梨大学における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との闘い(第7報)

オピニオン 2020年5月26日 (火)  島田眞路(山梨大学学長)、荒神裕之(山梨大病院医療の質・安全管理部特任教授)

本稿のポイント 1.社会・経済活動の長期の停滞と出口戦略としてのPCR検査 2.PCR検査体制拡充の現状と2つの障害 3.医療界全体への大胆な経済的支援を! 1.社会・経済活動の長期の停滞と出口戦略としてのPCR検査 前回の第6報 1)では、「PCRシリーズ」第3報から第5報 2-4)を通じて報告したOECD諸国の中でも最低レベルのPCR実施件数 5)により、感染者数や死亡者数の把握が困難になった状況の下、欧米に比べれば感染者数、死亡者数が共に圧倒的に少ない要因が、「ジャパニーズミラクル」と称されるような日本独自の特徴ではなく、本来ならば「パンパシフィックミラクル」と称すべき日本も含む西太平洋地域に共通の状況であることを明らかにした 1、6)。 ところで、日本の感染者数、死亡者数が欧米より圧倒的に少ないことで、欧米に比べて社会・経済活動への影響も少なく済んだかというと必ずしもそうではない。2月24日の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解 7)公表以降、「瀬戸際」「正念場」「ヤマ場」と切羽詰まった自粛要請が続き、4月7日になって7都道府県に緊急事態が宣言され、4月16日には全国に...