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「安易な国際移動再開」、大規模流行を招く

レポート 2020年6月3日 (水)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

「パンデミック中の国際移動について皆で考えよう◆Vol.1」では、北海道大学大学院医学研究院社会医学分野衛生学教授の西浦博氏に、国際的な移動を再開させた時、日本での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大規模流行につながるか否かについてのシミュレーション方法を講義していただいた。 PCR検査や停留などの検疫体制をいくら強化しても、外務省「感染症危険情報」で「レベル3」に相当するような国から多数の入国者がある場合には、大規模流行を防ぎ得ないという結果だ。 今後の日本の国際的な移動、水際対策をどうすればいいのかについて、西浦氏と、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議にも参加し水際対策に積極的に発言している国際医療福祉大学公衆衛生学教授の和田耕治氏との対談をお届けする(2020年5月30日に対談を実施。文中、敬称略)。 和田:「1日に何人の国内に感染者が入ってきたら、地域での大規模流行につながるか」という視点で、「1日10人以下にしなければいけない」という試算がありますが、先生のシミュレーションはそれとほぼ同じなのですか。 西浦:はい、簡単な計算はエクセルですぐにできます。診断され...