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東アジアで死亡率が低い背景に「SARS-X」?

レポート 2020年6月9日 (火)  小川洋輔(m3.com編集部)

日本人の一定数は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に似た中国由来のウイルスによる感染症に既に罹患していた?― 東京大学先端科学技術研究センター名誉教授の児玉龍彦氏は、東大病院などで実施してきた新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗体検査で、IgMの反応が遅い患者が多かったことから、日本の死亡者数が欧米と比べて少なく抑えられている要因として、このような仮説を掲げている。精度の高い抗体検査を広く実施することで、感染状況を把握するほか、重症者はIgMの数値が高くなる傾向が見られたことから、治療や隔離の必要性を判断する材料にもなるという。児玉氏がアドバイザーを務める新型コロナウイルス抗体測定協議会(幹事会代表:川村猛・東京大学アイソトープ総合センター准教授)は今後、抗体検査を拡充し、ウイルスの実態解明を目指す(研究内容の詳細は東大アイソトープ総合センターのホームページ)。 児玉氏らが取り組んでいるのは、検査結果のノイズを下げるためウイルスタンパク質を磁気ビーズの表面にコートし、結合したIgG、IgM、IgAを化学発光で定量的に測る方法で、中国・武漢に突貫工事で建設された火神山...