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高齢者施設でのクラスター「とにかく介護の手が足りない」-山城清二・富山大病院総合診療部教授に聞く◆Vol.2

インタビュー 2020年6月27日 (土)  藤重歩(m3.com契約ライター)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で富山県最大のクラスターが発生した富山市の介護老人保健施設「富山リハビリテーションホーム」。入所者、職員合わせて59人が感染し、15人の入所者が亡くなった。4月17日に感染者が初めて確認されてから収束するまでの約1カ月間。重症者以外の感染者を転院させず施設内で治療・介護に当たり、どのように収束させたのか。県の医療支援チームの医師として派遣された富山大学附属病院総合診療部教授・山城清二氏に聞いた(2020年6月6日にインタビュー。全3回連載)。 回診後に重症度判定をする山城清二氏(中央)(提供:山城氏) ――4月25日に県の医療支援チームとして施設に入った時、施設の状況はどのようなものだったのでしょうか。 施設に残っていたのは、65人いた入所者のうち、救急病院への搬送者などを除いた51人(陽性28人、陰性23人)です。職員64人のうち18人が感染した上、濃厚接触者で自宅待機や感染を恐れて出勤を控えた職員もいて、残っていたのはたったの5人。施設長と看護師2人、介護士1人、事務員1人で、人員不足に陥っていました。途中には夜間の職員を1人も確保できな...