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クラスター収束後も求められる医療の役割-山城清二・富山大学附属病院総合診療部教授に聞く ◆Vol.3

インタビュー 2020年7月5日 (日)  藤重歩(m3.com契約ライター)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で富山県最大のクラスターが発生した富山市の老人保健施設「富山リハビリテーションホーム」。5月22日に入所者すべてが陰性になり、約1ヶ月に渡るクラスターとの戦いを収束させた。感染の第2波に備え、教訓をどう活かし、どんな対応が求められるか。検証された問題点と改善策を、県の医療支援チーム派遣医師の富山大学附属病院総合診療部教授・山城清二氏に聞いた(2020年6月6日にインタビュー。全3回連載)。 富山大学附属病院総合診療部教授・山城清二氏 ――5月28日、厚生労働省のクラスター対策班担当者も参加し、検証・検討会が行われました。どのような問題点が報告されたのでしょうか。 厚生労働省のクラスター対策班には、県が施設の状況や情報を流していたようですが、訪れたのはこの日が初めてです。担当者は富山市民病院のクラスター担当もされていた方で、富山県の状況をよく知っていました。検証会では富山市保健所、県のクラスター対策班担当者、私が報告を行いました。検討課題として、私は主に施設での発生原因を報告し、(1)初動の遅れ、(2)ハードの問題、(3)介護士の応援体制――を...