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偉大な医学者、工学者、2人の訃報に思う

オピニオン 2020年7月5日 (日)  神田橋宏治(医師、DB-SeeD社長)

さて27回目です。 いよいよ2020年も7月に入りました。今年前半は、“コロナ禍”が日本でも始まった年として長く記録や人々の記憶に残るだろうことは間違いありません。 新聞や報道は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)一色だったのですが、そんな中でもさまざまな出来事は起こっています。今回はその中でもお二人の偉大な医学者、工学者の訃報について思ったことをお話しさせてください。 お一人目はパルスオキシメーターの発明者である、青柳卓雄博士(2020年4月18日没)です。1974年にパルスオキシメーターについての最初の発表をされています。 僕が医師になった頃、なぜこんなものでヘモグロビンの酸素飽和度が測定できるのか不思議でしたし、研修医同士で息止め比べをして誰が一番低い数字を出せるかを競争したりもしました。僕の子供の一人は喘息持ちだったので、自宅用にも一台買っていました。明け方に発作でSpO2が90%以下となって、当時勤めていた東大病院で診てもらったことも何度かあります。快く引き受けてくださった当時の小児科の先生方には、感謝してもし尽くせません。今や機械の小型化も進みました。訪問診療のバッ...