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進歩続ける外科医療、研究テーマは尽きず - 森正樹・日本外科学会理事長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2020年7月28日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

【第120回日本外科学会定期学術集会に寄せて:森正樹・日本外科学会理事長に聞く】 Vol.1◆「完全WEB開催」、学会の在り方変わる可能性秘める Vol.2◆進歩続ける外科医療、研究テーマは尽きず ――今回は、第120回という節目の定期学術集会です。第1回の開催は、明治32年、1899年とのこと。それ以降はもちろん、先生が外科医になられてからの間でも、外科領域は大きく進展したと思います。 私が九州大学医学部を卒業したのは1980年、40年前のことです。この40年間の動きは、非常にダイナミック。卒業したばかりの頃は、外科がこのように変貌するとは思っていませんでした。 やはり低侵襲手術の導入が、一番大きい変革でしょうか。その上、対象とする疾患も大きく変わってきました。例えば消化器外科領域では、昔は胃潰瘍や十二指腸潰瘍の手術が多かったわけですが、今はこれらの疾患の手術はものすごく限られています。 疾患や病態自体への理解も、かなり深まってきました。胃がんの発生には、ピロリ菌が関与していることが分かってきたり、分子レベルでの解明が進み、例えばサイトカインストームから多臓器不全に陥る過程が理論であ...