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「検査精度」の考え方、医師国試の頻出問題 - 鈴木貞夫・名市大公衆衛生学教授に聞く◆Vol.2

インタビュー 2020年7月20日 (月)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

【鈴木貞夫・名市大公衆衛生学教授に聞く】(2020年7月2日にインタビュー) Vol.1◆「日本は米英と比べ、“見逃し”が多いわけではない」 Vol.2◆「非常時」には臨床と公衆衛生のコンフリクトも Vol.3◆with コロナ時代、「死亡の許容範囲」議論を ――PCR検査については、論点が混在していたように思います。例えば、院内感染を防止したり、拡大を最小限にするためには、迅速にPCR検査ができる体制が必要。また医師が検査を必要とする場合になかなか検査できないのも問題です。一方で、国民全員にPCR検査をしたりすることは、別の次元の話です。 臨床的な見方と、公衆衛生的な見方は、時にコンフリクトを起こします。日本のPCR検査が「少なかった」ことや、「検査をしてほしかったけれど、してもらえなかった」例があるのは事実です。しかし、PCR検査について、「検査すべき度合い」を何で比べるか、それはPCR検査の陽性率です。「検査してもらいたけど、してもらえなかった」ケースは、欧米では日本よりももっと多かったわけです。けれども、「少しでも日本のことを悪く言おう」という動きは確実にあり、「測るものさし」...