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with コロナ時代、「死亡の許容範囲」議論を - 鈴木貞夫・名市大公衆衛生学教授に聞く◆Vol.3

インタビュー 2020年8月2日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

【鈴木貞夫・名市立大公衆衛生学教授に聞く】(2020年7月2日にインタビュー) Vol.1◆「日本は米英と比べ、“見逃し”が多いわけではない」 Vol.2◆「非常時」には臨床と公衆衛生のコンフリクトも Vol.3◆with コロナ時代、「死亡の許容範囲」議論を ――日本のこれまでの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対策をどう評価されていますか。 まず対策の目的の確認ですが、それは感染者数の把握やその多寡ではなく、死亡者数の最小化です。 僕が評価している一つが、帰国者・接触者相談センターへの相談基準について、「風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く方」という、分かりやすいメッセージを出したこと。この4日間のうちに、COVID-19以外の患者さんは除外されたり、COVID-19の患者でも症状が消えてしまった人は検査を受けずに済みました。これらの患者さんの中に、「見逃し」があるのは事実ですが、検査を受けるために医療機関に出向き、そこで感染するリスク、あるいは感染を拡大するリスクを回避できたわけです。 「37.5度×4日間」という基準を緩和したのは、妥当ではなかったと僕は...