1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. コロナ禍の災害、現地派遣の医師「支援控え」に警鐘

コロナ禍の災害、現地派遣の医師「支援控え」に警鐘

レポート 2020年7月9日 (木)  小川洋輔(m3.com編集部)

豪雨による被害が拡大している熊本県などで医療支援に当たっているNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」が運営するプロジェクト「ARROWS(Airborne Rescue and Relief Operations With Search=空飛ぶ捜索医療団)」が7月8日夜、オンラインで記者会見を開き、現地に派遣されている医師らが状況を報告した。プロジェクトのリーダーで、医師の稲葉基高氏は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で「支援控え」が起こっているとして、中長期的な被災者の健康維持のための人員不足に警鐘を鳴らした。 車中からオンライン会見に応じる稲葉医師 稲葉氏らは7月4日から、熊本県球磨村を中心に、避難所や福祉施設、孤立集落などで被災者の診療・搬送などに従事している。稲葉氏は、西日本豪雨や令和元年台風19号と比べても、「今回は変数が多くて活動しにくい」と語る。最も大きい「変数」は、COVID-19禍での初めての被災地支援という点だ。 当初、住民が3密を恐れて避難所に来ないという事態も懸念されたが、球磨村周辺は感染者数が少ないこともあり、避難控えは「予想していたほどでは...