1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「まずは2週間持ち堪えよう」◆Vol.1-検証・富山市民病院

「まずは2週間持ち堪えよう」◆Vol.1-検証・富山市民病院

インタビュー 2020年7月21日 (火)  藤重歩(m3.com契約ライター)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で、入院患者や医師、看護師ら計39人(うち2人死亡)が感染し、富⼭県で初のクラスターが発⽣した富山市民病院。6月1日に“終息宣言”し、6月3日には診療態勢がほぼ正常化した。一時は約950人の職員のうち約3割が自宅待機となり、病院機能を縮小し、地域医療にも大きな影響を与えた。第2波、第3波に備え、教訓を再発防止にどう生かし、感染症指定医療機関、公立病院としての責務を果たすのか。富山市病院事業管理者の石田陽一氏に取材した。Vol.1、Vol.2では4月9日の初感染からクラスター収束まで、約2カ月にわたる経緯と要因を振り返る(2020年6⽉22⽇にインタビュー。全3回連載)。 富山市民病院外観 ◆3月 県内、感染者ゼロ続く。感染者用病棟の準備進める 全国で新型コロナウイルス感染症が感染拡大する中、3月の段階では、富山県では依然、感染者ゼロが続いていた。富山市民病院では藤村隆院長代行(当時)を責任者として、1月31日に病院幹部と感染対策室で電子会議を立ち上げた。これが対策本部機能を担い、情報共有と決定事項の一元的な発信を行っていた(4月1日、DMAT...