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全ての抗体保有者から「中和抗体」検出、SARS-CoV-2感染を阻害

レポート 2020年7月14日 (火)  小川洋輔(m3.com編集部)

厚生労働省は7月14日、東京、大阪、宮城の3都府県で実施した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗体検査で「抗体保有」と認められた8検体全てで、ウイルスへの感染を阻害する中和抗体が検出されたと発表した。中和試験は国立感染症研究所が6~7月に実施した。厚労省は「(抗体保有の8検体は)感染を防ぐ免疫を獲得しているということが、少なくとも試験管の中では証明された」としている。抗体保有していない検体からは中和抗体が検出されなかった。実際のウイルスを使う必要がある中和試験は実施できる設備が限られており、一定規模の抗体検査で中和試験まで行う研究は世界的にも珍しいという。 厚労省の公表資料 厚労省は6月、東京、大阪、宮城の3都府県で計7950人を対象に抗体検査を実施。アボット(感度100%、特異度99.6%)、ロシュ(感度100%、特異度99.8%)の2種の抗体検査薬を用いて、いずれも陽性だった場合に「抗体保有」と認定する手法を採ったところ、抗体保有率は東京都で0.10%(2検体)、大阪府で0.17%(5検体)、宮城県で0.03%(1検体)となった(『東京都の抗体保有率0.1%、厚労省検査』...