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控訴の趣意「一審判決、論理則、経験則等に反する」- 乳腺外科医裁判高裁判決文の詳報◆Vol.1

レポート 2020年7月23日 (木)  高橋直純(m3.com編集部)

自身が執刀した女性患者に対してわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪で逮捕・起訴された男性外科医に対する裁判で、東京高裁(朝山芳史裁判長)は7月13日、一審判決を破棄し、男性外科医に懲役2年の実刑判決を言い渡した。弁護側は即日上告した。判決文を6回に分けて掲載する(※人名表記を匿名化するなど、一部編集)。 Vol.1 控訴の趣意「一審判決、論理則、経験則等に反する」 Vol.2 原審での麻酔覚醒時のせん妄の影響の評価(7月24日公開) Vol.3 原審での科学鑑定の評価(7月25日公開) Vol.4 女性患者証言「具体的かつ詳細であり、迫真性が高い」(7月26日公開) Vol.5 東京高裁が職権で採用した2人の精神科医の証言(7月27日公開) Vol.6 「科学的な厳密さに議論の余地があるも証言と整合」(7月28日公開) 主文 原判決を破棄する。 被告人を懲役2年に処する。原審における未決勾留日数中30日をその刑に算入する。原審及び当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 第1 本件事案の概要及び本件控訴の趣意 (1) 本件公訴事実の要旨は、被告人は、東京都足立区内の病院に非常...