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東京高裁が職権で採用した2人の精神科医の証言- 乳腺外科医裁判高裁判決文の詳報◆Vol.5

レポート 2020年7月27日 (月)  高橋直純(m3.com編集部)

乳腺外科医裁判東京高裁判決文 Vol.1 控訴の趣意「一審判決、論理則、経験則等に反する」 Vol.2 原審での麻酔覚醒時のせん妄の影響の評価(7月24日公開) Vol.3 原審での科学鑑定の評価(7月25日公開) Vol.4 女性患者証言「具体的かつ詳細であり、迫真性が高い」(7月26日公開) Vol.5 東京高裁が職権で採用した2人の精神科医の証言(7月27日公開) Vol.6 「科学的な厳密さに議論の余地があるも証言と整合」(7月28日公開) (ア) 井原医師は、当審公判において、Aのせん妄の有無につき、プロポフォールの半減期は6時間と長く、Aの身体の中に物質が残っている影響で、知覚と行動のコーディネーションができず、その意味でせん妄状態にあったといえるが、14時45分から15時20分頃にかけては、意識混濁はどんどん覚めていく途中である、Aは、14時45分頃には、過活動型のせん妄状態にあったが、15時12分頃には低活動型のせん妄状態にあったと思われる。Aは、背景因子をもたないので、時間の経過とともに過活動型から混合型、低活動型、せん妄と評価できない状態へと時間を追って回復していく...