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「科学的な厳密さに議論の余地があるも証言と整合」- 乳腺外科医裁判高裁判決文の詳報◆Vol.6

レポート 2020年7月28日 (火)  高橋直純(m3.com編集部)

乳腺外科医裁判東京高裁判決文 Vol.1 控訴の趣意「一審判決、論理則、経験則等に反する」 Vol.2 原審での麻酔覚醒時のせん妄の影響の評価(7月24日公開) Vol.3 原審での科学鑑定の評価(7月25日公開) Vol.4 女性患者証言「具体的かつ詳細であり、迫真性が高い」(7月26日公開) Vol.5 東京高裁が職権で採用した2人の精神科医の証言(7月27日公開) Vol.6 「科学的な厳密さに議論の余地があるも証言と整合」(7月28日公開) 4 科学的証拠について 本件アミラーゼ鑑定、本件DNA型鑑定及び本件DNA定量検査の数値等の証拠は、本件犯行を一定程度推認させるものではあるが、それ自体で本件犯行を証明できるものでなくても、Aの原審証言の信用性を支え、これと相まって、Aが本件わいせつ被害にあったこと(事件性)を立証するものであれば足りると考えられる。そこで、このような観点から、上記鑑定等の証明力等について検討する。 (1)本件アミラーゼ鑑定 本件アミラーゼ鑑定は、Aの左乳首付近の付着物を採取した本件ガーゼを資料として、アミラーゼ活性検出試験をしたものであり、H研究員の原審証...