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【フランス便り】バカンスと第2波リスクの間で

オピニオン 2020年7月27日 (月)  奥田七峰子(日本医師会総合政策研究機構フランス駐在研究員)

1日の新規感染者数が1000人を超え、重症者数(ICU病床新規入院患者)が83人となった7月24日、ついにフランスも重い腰を上げて空港での検査を開始しました。 欧州域内・安全国からの入国は現在もフリー・パスですが、危険国(16カ国=文末※を参照)からの帰国者・フランス居住者には、空港での検温モニターと、任意(8月1日から義務に変更になります)でPCR検査を開始しました。任意の検査を拒否する入国者は、空港で自動的に隔離だそうです。さらに、出国72時間前にPCR検査必要国(陽性の場合は、搭乗できません)は、米国、アラブ首長国連邦、バーレン、パナマの4カ国です。 水際作戦は、「自由・平等・博愛」のフランス共和国の価値観と合わないため、その効果をどうしても肯定したくなかったのでしょう。開始後の世論には、「危険国の選定が緩い。安全国も含め全ての入国者に広げるべき」との声も上がっています。 6月のブラック・ライヴズ・マターに、黄色いヴェスト、医療職者による抗議デモ、最近はセクハラ疑惑のある(不起訴)新内務大臣就任への抗議の「Me tooデモ」と大きな集会がいくつかパリで続き、バカンス先のビーチも例...