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【フランス便り】ICU利用の75歳以上の比率低下、治療アクセスを制限か

オピニオン 2020年8月1日 (土)  奥田七峰子(日本医師会総合政策研究機構フランス駐在研究員)

フランス下院議会のCOVID-19調査委員会が入手したデータ〔PMSI-MCO(急性期医療情報システム・プログラム)、SNDS(保健省ナショナル・データ・システム)、ATIH(病院情報技術局)、DGOS(保健省医療提供局)の各データ〕を、フランスの全国紙であるル・モンドが7月29日発表しました。 記事によりますと、2018、2019年のICU入院患者における75歳以上の患者の割合は、例年とほぼ同様の25%前後でしたが、本年1月から4月中旬までのCOVID-19流行期間においての同数値は17%、ピーク時には14%、さらに首都圏のイル・ド・フランス県においては6%まで下がっていた事実が分かりました。議会の調査委員長を務める右派のエリク・シオッティ(共和党議員)は、これら乖離についての説明を今後、さらに追及すると述べています。 パリ中心部にあるホテル・デゥ病院救急科医師のジェラール・キエルゼック氏は、同夜テレビで、「非常事態においては、治療のキャパシティーに限りのある状況の中、予後の生存確率を考えた上での患者のトリアージュが行われることはあり得る」と述べ、さらに、「年齢だけで制限する訳ではな...