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医師と弁護士、言葉のすれ違い、どう解決?- 粟野公一郎弁護士・暢康医師に聞く◆Vol.2

インタビュー 2020年8月14日 (金)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

【粟野公一郎弁護士・暢康医師に聞く】 Vol.1 「医師×弁護士」、兄弟コラボで医療訴訟の上梓 Vol.2 医師と弁護士、言葉のすれ違い、どう解決? ――医療界と法曹界では、使用する用語やその解釈、“常識”に相違があるようです。どこまで平易に書くかなど、執筆にあたって衝突することはなかったのでしょうか。 公一郎(兄):弁護士の立場としては、判決文の表現をあまり変えたくはありません。例えば、「ある」か、「ないではない」のかは、似ていますが、言い回しを変えることによって、判決の適用範囲が変わってきます。誤解が生じるのは避けたいという考えがあります。ただ、やはり分かりにくい表現は直したり、一文が10行、20行にもわたる判決文は適宜切ったり、「……」などを用いて省略する作業をしました。 その結果、自分としては「判決を生かしながらも、だいぶやさしいものができた」と思っても、弟が見ると「まだ難しい」「まだ長い」と指摘されました。「でも、これを変えてしまうと、判決の適用範囲が微妙になっちゃうんだよね」と伝えても、「いや、読者は適用範囲よりも、まず分かるかどうかが重要でしょう。多少ニュアンスが変わる部...