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元阪大医師、5論文で特定不正行為を認定

レポート 2020年8月19日 (水)  岩崎雅子(m3.com編集部)

国立循環器病研究センターと大阪大学は8月19日、両機関で勤務していた医師の野尻崇氏が執筆した研究論文5本で、ねつ造や改ざんの特定不正行為があったとする調査結果を発表した。論文は、いずれもペプチドホルモンとがんに関わる研究で、ANP投与による肺がん手術後の合併症を抑える効果が高まるようにデータを操作するなどの行為が見られた。野尻氏は不正行為を否定している(詳細は、国循ホームページと阪大ホームページ)。 野尻氏は2001~2002年と2009~2014年に阪大に、2010~2018年に国循にそれぞれ勤務。阪大医学部付属病院の医員や、国循生化学部の室長を務めていた。両機関は今後、研究助成金(計6万375円)の返還を求め、不正に認定した論文の取り下げの勧告を行う方針。阪大は8月18日付で懲戒解雇相当とする処分を決め、国循は「今後必要な措置を行う」としている。論文の共著者の関与は認められなかった。 両機関に2017年12月、野尻氏が筆頭著者もしくは責任著者として発表した計21編の論文について、ねつ造と改ざんがあると指摘する告発があり、両機関は2018年に学外委員を含めた調査機関を設置、調査を進め...