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新型コロナ「統合データベース」の必要性強調、脇田・感染研所長

レポート 2020年8月19日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

国立感染症研究所長の脇田隆字氏は8月19日、都内で開催された第94回日本感染症学会学術講演会の特別企画で、「国立感染症研究所からみた、明日の感染症研究」をテーマに講演、感染動向や臨床情報など各種データが連携した統合データベースや検体バンクを構築し、新興感染症対策に有用な研究を迅速に進めることができる体制作りの重要性を訴えた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)研究の苦労に触れつつ、「COVID-19のリサーチへの要求に応えていかなければいけないが、ジレンマがある」とも明かした。 厚生労働省の専門家会議やアドバイザリーボードの座長を務める、国立感染症研究所長の脇田隆字氏 COVID-19解析に使用しているのは、NESID(感染症発生動向調査)、HER-SYS(新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム)、COVID-19レジストリ、ウイルスデータ、宿主サンプル(血清やゲノムなど)などのデータだ。 感染症関連のサーベイランスはNESIDで行ってきたが、COVID-19については、HER-SYSが5月末から稼働。その結果、NESIDには情報が入らなくなり、両者のデータに乖離...