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「新型コロナの許容リスク、社会的コンセンサスを」、押谷東北大教授

レポート 2020年8月21日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

東北大学教授の押谷仁氏は8月20日、都内で開催された第94回日本感染症学会学術講演会の緊急企画「COVID-19シンポジウム―私たちの経験と英知を結集して―」で講演し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、「このウイルスのリスクをどう考え、どうリスクマネジメントをすればいいかを我々が真剣に議論すべき時期に来ていると思っている。どこまでのリスクを許容するのかという社会のコンセンサスを得ることが必要」との認識を示した。 押谷氏が、リスクマネジメントの必要性を訴えるのは当面、COVID-19の流行が続くと見るからだ。「我々は緊急事態宣言というかなり強いハンマーで、たたき切ったと思ったが、一部が残存して新たな流行に直面している。これはもう少し小さいものだと期待していたが、かなり大規模な流行になってしまった。今後、流行が繰り返されることが当然予想される」。今の流行は、「7月の下旬ぐらいに、顕著なピークが見えている」と説明したものの、「今後の推移は慎重に見極める必要がある」と油断はできないことを指摘した。 「全ての場でのゼロリスクを求めると、社会・経済活動の多くを著しく制限せざるを...