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京アニ事件の教訓「重症熱傷多数への備えを」 - 高階謙一郎・京都第一日赤救命救急センター長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2020年8月24日 (月)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

「重症熱傷患者が多数発生した場合、2次搬送先の調整が問題になる。平時から調整体制を整えておくべき」。 2019年7月18日の京都アニメーション放火事件(以下、京アニ事件)で負傷者の対応に当たった、京都第一赤十字病院救命救急センター・基幹災害医療センター長の高階謙一郎氏はこう指摘する。 京都第一赤十字病院は、府内唯一の基幹災害拠点病院であり、高階氏は2013年の福知山花火大会での露店爆発事故に対応した経験も持つ。 死亡34人(火災発生から48時間以内の死亡者数。現地死亡は33人)、救急搬送36人の被害者が出た事件から約1年。高階氏に当時の対応を振り返ってもらうとともに、今後の備えについての提案をお聞きした(2020年8月7日にインタビュー。全2回の連載)。 ――先生が京アニ事件の第一報をお聞きしたのは、いつでしょうか。 当院は基幹災害拠点病院であり、私は京都市消防局の救急業務指導医師で、救急隊全体の教育をする立場にあります。7月18日は東京で会議があり、私の携帯に京都市消防局から第一報が入ったのは、京都駅から新幹線に乗った直後でした。「多数負傷者あり」ということで、その受け入れと医師派遣...