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京アニ事件、分散搬送は評価、2次搬送等に課題 - 高階謙一郎・京都第一日赤救命救急センター長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2020年9月6日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

【高階謙一郎・京都第一日赤救命救急センター長に聞く】(2020年8月3日にインタビュー) Vol.1 京アニ事件の教訓「重症熱傷多数への備えを」 Vol.2 京アニ事件、分散搬送は評価、2次搬送等に課題 ――京アニ事件の災害医療対応で、まず評価すべき点は何でしょうか。 京都市消防局が、軽症者の搬送先は集中させ、中等症と重症者については複数の病院に分散搬送したこと。これは誇れるくらいの対応だったと思います。病院をA、B、C……と分けて、1人ずつ搬送する。1巡目が終わったら、2巡目の搬送をするという流れです。搬送を受ける病院側も、一度に搬送されるよりも対応しやすくなります。 京アニ事件の負傷者の搬送状況 ――その一方で、改善すべき点は。 一つは消防側と医療側が連携した、現場での情報の収集、管理です。消防側も現場対応で大変なことは理解できますが、駆け付けた医師も、本当に救護が完了しているのか、まだ残っている負傷者がいるのかが把握できなかった。さらに搬送を受け入れる病院側も、どんな負傷者がどのくらい搬送されてくるのかなど、現場からの情報があれば準備が可能です。今回のように、消防局の依頼で現場に...