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「流行予測」など野心的な研究テーマ多々- 西浦博・京大教授に聞く◆Vol.5

インタビュー 2020年10月20日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

【西浦博・京大教授に聞く】(2020年8月21日にインタビュー) Vol.1 感染症疫学は“絶滅”の危機にあった Vol.2 海外でエグイくらい専門性を磨け! Vol.3 10年間で4大学に留学、「指導者には恵まれた」 Vol.4 東大、北大を経て京大へ、COVID-19の検証から着手 Vol.5 「流行予測」など野心的な研究テーマ多々 ――先生ご自身の研究面では、何を手がける予定ですか。 感染症の分野でも、「予測」というものがある程度、実装されてきています。僕が入門した時代にはボトムアップ式の常微分方程式モデルを観察データに適合する人なんて本当に少なかったし、それに基づく予測を堂々と出せる人もほとんどいなかった。今回のCOVID-19の流行では、リアルタイムでは出せていないですが、水面下では研究目的で実装してきました。ある程度、それが社会実装される状態を築くというのが、次に取り組みたい第一歩です。 例えば、インフルエンザのデータに、湿度の情報などのデータを加えると、空間上で次にどの都道府県で、どのくらいの感染者が生じるか、ある程度の確度をもって週単位くらいで言えるのです。湿度がない場...