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乳腺外科医事件「高裁は数々の証拠を黙殺」

レポート 2020年8月31日 (月)  高橋直純(m3.com編集部)

東京都足立区の柳原病院で自身が執刀した女性患者に対してわいせつな行為をしたとして、男性外科医が準強制わいせつ罪で逮捕・起訴された事件で、東京高裁の逆転有罪判決を受けて、医療関係者有志で作る「外科医師を守る会」は8月28日、東京都内で「乳腺外科医師冤罪事件高裁不当判決 無罪を目指す判決報告会」を開催した。主任弁護人の高野隆氏は「高裁は数々の証拠を黙殺した。言葉の遊びだけで有罪にしてしまう」と訴えた。 高野隆氏は「青天の霹靂とでも言うべき、衝撃的な逆転有罪判決だった。これまで40年近く刑事弁護人をやっているが、これほどダメージを受けた判決はない」と高裁判決を振り返った。問題点として(1)ずさんな科学鑑定や証拠を廃棄する科捜研の運用を「疑いがない」とした、(2)自ら「せん妄の専門家ではない」と主張する専門家証人の意見を採用した――ことを指摘した。 高野氏が講演で示した、科捜研のワークシート 高野氏が講演で示した、検察側推薦の証人、井原裕氏(獨協医科大学埼玉医療センター教授)が法廷で使った説明スライド さらに、女性患者の「幻覚の有無」については、検察側証人も「認めざるを得ない」と証言しているに...