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「個別指導、患者の情報提供や内部告発が契機に」健保法改正研究会シンポ

レポート 2020年9月6日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

医師や弁護士の有志で組織する健康保険法改正研究会の第9回シンポジウムが9月6日、「指導・監査の現状と帯同報告~訴訟・判例から見た今後の課題」をテーマにオンラインで開催され、同研究会の共同代表で弁護士の井上清成氏は、保険診療の個別指導対象の選定理由として、「厚生労働省は最近、高点数を理由に選定すると政策効果が良くないということで、情報提供を尊重している」と説明した。 シンポジウムでは、実際に患者からの情報提供で個別指導につながった事例のほか、指導医療官による暴言等に対して国家賠償請求で勝訴した事例、個別指導で3回指導を受けた事例が紹介された。指導・監査では、以前から指導医療官の暴言や威圧的な態度が問題視され、過去には指導を受けた医師が自殺した事例も複数ある。いまだに問題が解決せず、医師らの人権侵害等につながりかねない指導が続いている実態も浮き彫りになった。 健康保険法改正研究会は厚労省と年1回程度懇談しており、井上氏自身、指導・監査に数多く帯同した経験を持つ。井上氏の発言は、それを踏まえたものだ。不正・不当請求の意図がなくても、指導ではわずかな記載もれ等が自主返還につながることもある。井...