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今夏ECMOセンター開設、九州最多の重症患者受け入れ‐星野 耕大・福岡大学病院ECMOセンター副センター長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2020年9月20日 (日)  松瀬理恵(m3.com契約ライター)

7月1日に「ECMO(体外式膜型人工肺)センター」を設立した福岡大学病院。10年以上前からECMO治療に着目し、技術習得を重ね、今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療においては、九州で最多の重症患者を受け入れてきた。今冬に向けてさらなる警戒が必要とされる中、安定したECMO治療の体制整備は急務となっている。今回、「ECMOセンター」を設立した経緯や、現在のCOVID-19治療への取り組みについて、副センター長の星野耕大氏に話を聞いた(2020年8月19日インタビュー。全2回連載)。 福岡大学病院ECMOセンター副センター長・星野耕大氏 ――福岡大学病院でECMO治療が本格的に取り入れられたきっかけを教えてください。 2009年に新型インフルエンザのパンデミックが起きて、その当時もECMOを使った治療は行われていましたが、日本ではまだ使用する症例が少なかったこともあり、適切な治療ができていなかったようです。他国ではECMO使用者の生存率が70%以上(スウェーデンでは90%以上)の中、日本は36%と最下位でした。その結果を受けて、2012年に日本国内での治療成績向上を目的...