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国民の納得する「死の権利」の議論必要 -満岡聡・日本尊厳死協会理事に聞く

インタビュー 2020年9月20日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

ALSの女性患者に対する嘱託殺人容疑で医師2人が逮捕、起訴された事件は今夏、世間の大きな反響を呼んだ。医師2人が逮捕されたのは7月23日、いち早く声明を出した団体の一つが日本尊厳死協会だ。「医師の倫理規定違反は明白」とする一方、「今回の事件を契機に多くの日本人が死をタブー視せず、リビングウイル、尊厳死、そして『死の権利』の議論を深め、国民の納得する終末期医療に変容することを期待」という内容だ。 同理事の満岡聡氏(医療法人満岡内科クリニック理事長)に事件の受け止め、最近の活動などをお聞きした(2020年8月31日にオンラインでインタビュー)。 ――最初に事件の報道をお聞きした際、どんな受け止めをされたのでしょうか。 最初は詳しい事情が分からなかったので、「何でそんなことをやってしまったのか」というのが第一印象です。ACP(アドバンス・ケア・プランニング)を繰り返し行い、十分に多職種で支えるケアを行ってもなお、本人の意思が変わらなければ、尊厳死、つまりリビングウイルに基づいて栄養を差し控えるなど穏やかなやり方があったのでは、と思ったのです。 次第にいろいろな情報が入るようになり、患者さん自...