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医師が「これでは医療ができない」と心配する必要ない- 川本瑞紀・乳腺外科医裁判被害者参加弁護士に聞く◆Vol.3

インタビュー 2020年9月23日 (水)  聞き手・まとめ:星野桃代、高橋直純(m3.com編集部)

【川本瑞紀・乳腺外科医裁判被害者参加弁護士に聞く】(2020年8月5日にインタビュー) Vol.1 DNA鑑定に関する信用性、地裁は判断ぶれた Vol.2 高裁判決、「具体的かつ迫真的」という部分が独り歩きした Vol.3 医師が「これでは医療ができない」と心配する必要ない ――被害者側として、控訴審の手応えはどうでしたか。 無罪判決が出た後に、被害者参加弁護士になっていますから、高裁判決を聞くのは怖いに決まっています。 特にこの事件では、2つの理由があります。 性犯罪は、「密行性」があると言われています。つまり、目撃者がいないので、被害者供述が非常に大事な証拠になります。 この事件は、「準強制わいせつ」罪の成否が問題となっています。準強制わいせつは、被害者が、心神喪失か抗拒不能の状態にあることが要件なので、一般的に、被害者に意識がないか、意識があっても身体が動かせないことが非常に多い。身体が動かせない人のことは、意識もはっきりしていないだろうという理由で、被害者供述の信用性が争いになることが多いです。 昔は、準強制性交や準強制わいせつは条文があるものの、実際に起訴されているのを見たこ...