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高裁判決は専門家証言の「つまみ食い」-水沼直樹・乳腺外科医裁判弁護団に聞く◆Vol.1

インタビュー 2020年9月19日 (土)  聞き手・まとめ:高橋直純、岩崎雅子(m3.com編集部)

自身が執刀した女性患者に対してわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪で逮捕・起訴され、一審無罪判決となった男性外科医に対し、東京高裁は7月13日、一審無罪を破棄し、懲役2年の有罪判決を言い渡した。m3.comはこのほど、被告側弁護団の水沼直樹氏、乳腺外科医裁判被害者参加弁護士の川本瑞紀氏に双方の立場から、高裁判決の争点や意義、課題を振り返っていただいた。それぞれ3回に分けて掲載する。(水沼氏には2020年8月28日にインタビュー。全3回連載の1回目)。 川本氏インタビューはこちら⇒『DNA鑑定に関する信用性、地裁は判断ぶれた- 川本瑞紀・乳腺外科医裁判被害者参加弁護士に聞く◆Vol.1』 ――水沼先生はどのような経緯でこの裁判に関わることになったのでしょうか。 最初に事件を知ったのは、病院側が抗議文を出したという報道でした。当時、私は亀田総合病院(千葉県鴨川市)の院内弁護士として勤めていて、いわゆる企業法務の他、医療安全の分野も担当していました。事件について集中治療の部長と話す中で、その先生がプロポフォールで性的幻覚を見ることがあるという論文を持ってきてくれたのがきっかけでした。...