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地方国公立大医学部、東大卒業生の「人生再生工場」に

オピニオン 2020年10月4日 (日)  神田橋宏治(医師、DB-SeeD社長)

さて34回目です。 先日読んだ本の中に、東京大学を卒業後、病気の親の面倒を見るため地元の市役所に勤めた方のインタビューが出ていました。彼は1年半ほどして、いじめに遭い、市役所を退職します。その次に選んだのが医師になることでした。4カ月ほど勉強して地元の国立大学医学部に合格、現在医学生だそうです。彼は言います。「ぼくたちのように東大に入った人間は、国立医学部に入学するための勉強に特に不安はもちません」。 その後、彼の大学には続々と同じような境遇の方が入学し、東大卒業生派閥みたいなのができているとのことです。 これを聞いて著者は地方国公立大学医学部が、東大卒業生の「人生再生工場」となっていると指摘しています。 難関大学を卒業後、下記のような方で医学部再入学の道を選ぶ方が結構いらっしゃるのでしょうか。 1) 他分野の研究者として生きてきたが、行き詰まりを感じた。 2) 仕事があまりにもハードでドロップアウトした。 3) ビジネスマンとして仕事が合わなかったり、いじめに遭い、うつ状態になった。 4) 思ったほど裕福な生活ができず、医師になればお金持ちになれるのではないかと思った。 僕も東大の数...